のり
幼い頃、両親が共働きなので、ほとんどの時間を祖父母の家で過ごしていた。
ときどき、祖母が鍋一杯に「のり」を作った。
「ばあちゃーん、何これー?」と聞くと、祖母はぶっきらぼうに「のり」と答えた。
そして皿に乳白色のドロっとした液体を入れると、食べろと私にわたした。
私はこの「のり」があまり好きではなかった。
私の知っているのりは、黄色い容器に入っているフエキ糊と昔話の「舌きりすずめ」の洗濯のりだった。
見た目はフエキ糊だが、食べられるということは、これこそが雀が食べちゃった例の「のり」に違いない…。
いつも、祖母に皿をわたされるたび、そう考えた。
先日母と姉と話していて、祖母のつくる「のり」の話になった。
私は洗濯糊だと思っていたが、あれは小麦粉をお湯でといて砂糖で味付けしたおやつだったらしい。
姉は大好きだったそうだ。
それからしばらく祖母の作ったおやつの話でもりあがった。
しばらく更新できませんでした。
これからしばらく更新できません。
もしかしたら一ヶ月くらいかかるかもしれませんので、気長にお待ちください。
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